中核市は、人口30万以上の都市において、住民に身近な事務の移譲を中心とするのに対し、政令指定都市は、都道府県なみの権限と財源をもち、大都市特有のニーズに対応することが可能になります。
近年、市民から多様なニーズが求められる一方、国、地方の財政状況は、かつてないほどに厳しいものがあり、各自治体は、より一層効率的な行政運営と強固な財政基盤の確立が求められています。
また、これからの市町村は、自らの判断と責任で地域の特性を十分活かした、個性豊かで活力に満ちたまちづくりを実現していくことが強く期待されています。
さらに、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業や将来の道州制の導入などにより九州の一体化が進む中、本市が他の都市と差別化できる役割・特徴を持っていなければ、福岡・鹿児島の間で埋没する恐れがあります。
そのため、九州中央における拠点性の向上が必要であり、現行制度上で最も権限と財源が充実し、都市イメージの向上にもつながる政令指定都市への移行を目指しました。
中核市と政令指定都市の違いは、主に次の項目が挙げられます。
■事務配分の違い
中核市は、一般市に比べ福祉、保健衛生等多くの事務ができるようになりました。さらに政令指定都市では、都市計画決定、市域内の国道(国道3号、57号、208号を除く)・県道の管理、教職員の任免等といった事務ができるようになります。
■行政監督の違い
市の事務の中には、知事の関与を受けるものが多くあります。
政令指定都市では、多くの分野でこの知事の関与がなくなり、直接主務大臣の関与を受けるようになりますが、中核市においては、その多くは福祉の分野に限られています。
■組織上の違い
政令指定都市では、区役所が設置され、市民生活に密着した多くの事務を行うようになります。また、市議会議員や県議会議員の選挙も区単位で行われますが、中核市にはこのような特例はありません。
■財政上の違い
政令指定都市では、石油ガス譲与税、軽油引取税交付金、宝くじ発行収益金等が交付されるなど、中核市にはない財源の充実がなされています。
また、政令指定都市へ移行することによるメリットとしては、主に以下のことが考えられます。
・市で直接行なえる事務が増え、市民サービスが迅速的・総合的に行なえるようになります。
・市の独自性がこれまで以上に発揮できるようになります。
・区役所の設置により、生活に密着した市民サービスのほとんどを身近な区役所で受けることが出来るようになり、また、地域に密着したきめ細かな行政が展開出来るようになります。
・新たな財源により、大都市にふさわしい独自のまちづくりが出来るようになります。
・全国的・国際的な知名度が高まり、都市イメージの向上が図られます。その結果、民間投資の促進、国際コンベンションの誘致等経済の活性化につながります。 |